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第708話 三国志・呉の最終皇帝孫晧とは

久しぶりに三国志の話題でも書いてみましょう。
暴虐といわれた呉最後の皇帝・孫晧のお話です。
 

孫晧(そんこう) 242~284 在位 264~280 
字は玄宗(げんそう)。孫休の後を継ぎ皇帝に即位。
孫休の長男は孫𩅦(そんわん)だったが、家臣たちは
孫晧がふさわしいと言い、彼を即位させたという。
初めのうちは名君だったらしいが…。

スクリーンショット 2023-06-10 222341
※画像は光栄さんの「三國志Ⅴパワーアップキット」より。

部下を酒に酔わせて 
彼の有名な悪行・その1。
孫晧の宴会では十升の酒を飲まなければいけなかった。
そこで不届きな態度があったり、乱れたりした家臣は
目をえぐられる、鼻をそがれるなどの厳罰を与えられた。

孫権(そんけん)も酒好きで「倒れるまで飲め」
などと言ったことがあるが、孫晧の仕打ちは特にひどい。

勝手に元号を変える 
改元や恩赦を行って世間を混乱させたという。
他に、奥さんが亡くなると一年近く姿を現さないとか…

部下の忠告も聞かず 
内政や人事に詳しい、華覈(かかく)という部下がいた。
物事をはっきり言う性格の割には粛清されず
重用されたが、晋をめぐる方針が合わず疎遠になる。
彼はそのまま世をはかなんで隠遁したとか。

名将の陸抗(りくこう)を疑う? 
部下の陸抗が晋の将軍・羊祜(ようこ)と
にらみ合った時のエピソード。孫晧の悪行その2 

陸抗が病気になると、羊祜から薬が贈られてきたので
彼は疑いもせず飲んだ。
お礼として酒を贈ったら、羊祜も喜んでそれを飲んだ。
フェアなやり取りなのに孫晧は陸抗を疑ったという。

悪臣・岑昏(しんこん)とその最期 
悪臣の岑昏は土木工事を連発して民を苦しめた。

晋の軍勢が首都の建業まで襲ってくると、
部下は「岑昏が国を弱らせた元凶である」と訴える。
孫晧が「…では彼を殺さねばならぬ」とつぶやくと
配下たちは岑昏を捕らえ、勝手に殺害したという。

三国志演義では宦官になっていて
コーエーあたりの書物では「呉の黄皓(こうこう)」
と揶揄されることも。

降伏、そして呉の滅亡 
晋の侵攻を受けると結束の乱れた呉では
防衛が利かない。
多くの家臣を失い、建業まで攻め込まれると
さすがの孫晧も自ら命を絶とうとしたという。

「蜀の劉禅(りゅうぜん)に習われるとよい」と
進言されたので、その通りに身体を縛って降伏した
(まだ劉禅に暗愚のイメージが定着して
いなかったのだろう。してたら殺される)

呉は滅亡し、三国時代も終わりを告げたが
孫晧が殺されることはなかったようだ。

…暴君でも無能じゃなかった? 
降伏してきた孫晧を賈充(かじゅう)がからかう。
「酒宴で人の目をえぐったりしたのは何の罪か」と。
それに対し孫晧は「家臣でありながら主君の命を
狙おうとする者への見せしめだ」と返す。
賈充は司馬昭(しばしょう)のために主を殺した
経歴があるため、恥じて沈黙したという。

家臣を論破された司馬炎(しばえん)は
「お前という言葉を使って詩を作れ。
今すぐにだ!」と怒る。
だが、皮肉たっぷりの歌を即興で返されてしまい
司馬炎は彼を追い詰めるのを諦めた。
…『七歩の詩』の曹植を連想させるエピソードだ
(曹植は暴虐ではなかったと思うが)

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