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第543話 英雄伝説Ⅲストーリーダイジェスト最終章(23)

○ゲルドの心のように 
祝宴を抜け出したジュリオとクリスはラップじいさんと
村のはずれの高台に来ていた。

ジュリオ「ねえ、ラップじいさん。
ラップじいさんって、さぁ」

ラップ「なんじゃね」
ジュリオ「……ゲルドは。白き魔女はこの世界の
ために命を落としたけど、それでよかったのかなあ。
後悔なんてしてなかったのかなぁ?」

クリス「それに仲間から裏切り者扱いされる道を
自分から選んだわけでしょ?
きっと、つらかったと思うわ」


ラップ「そうじゃのう。じゃが、きっと
辛いばかりではなかったさ」

ジュリオ&クリス「…………」
ラップ「お前たちに聞くが巡礼の旅はどうだった?」
ジュリオ「巡礼の旅?うん。初めはどうなるかと
思ったけど、すっごく、楽しかったよ」

クリス「たくさんの人に巡り合えたし、
素晴らしい思い出もたくさんできたわ」

ジュリオ「ひどい目にも、ずいぶんあったけどね」

ラップ「うむ、それと一緒だろう。人は辛い思いを
しても、楽しいと思える心がある。だから一度でも
幸せと思える瞬間があれば、その人の人生は
幸せじゃったのだよ。例え、それが死んだ後でもな。
白き魔女が残した道をお前たちは通ってくれた。
ゲルドは、後悔などしておらんさ」


ジュリオ「クリス。ボクたち、あの山のずっと
向こうまで行ってきたんだね」

クリス「うん。メナート、チャノム、アンビッシュ。
ウドル、フュエンテ、ギドナ、それにオルドス。
いろんな街や村があったわね」

ラップ「世界は、まだまだ広いぞ」


ジュリオとクリスは大蛇の背骨やガガーブの向こう、
機会があれば異界にも行ってみたいと言った。

ジュリオ「ラップじいさんは異界に行ったことだって
あるんでしょ。どうしてみんなに黙ってるの?」

ラップじいさん「いいかね、ジュリオとクリス。
これからは修業を積んだ魔法使いが悪い竜を
倒したり、腕っぷしの強い剣士が剣一本で国王に
なるような時代じゃない。
それで事が収まるような単純な世の中では
なくなりつつあるのじゃよ。これからは一人一人が
自分の持つ才能を役立て、それぞれの暮らす
場所で、みんなのためになるよう頑張る。そうで
なくてはいけないのじゃ。そのためには
伝説の英雄などというものは邪魔なだけじゃ。
これからは、大地に根を下ろした力こそが
必要なのじゃよ。

ゲルドの心のようにな。」


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